V-expo事例集

全社員を巻き込んだ周年行事がV-expoで開催メタバースを活用することで、拠点間の繋がりが感じられるイベントに

作成者: V-expo|May 2, 2025 2:36:11 AM

オフィスビルや物流施設、その他不動産の総合的な管理・運営を手がける、住商ビルマネージメント株式会社。2023年2月に創業50周年を迎え、同年4月には全社員参加の記念式典がV-expo上で開催されました。
本イベントを企画・運営した実行委員の皆様に、メタバースを活用したイベント開催の経緯や狙いを伺いました。

(写真左から)総務人事部 林 健太さん、営業開発部 兼 経営企画室 土橋貴彦さん、
物流施設営業部 大島範之さん、総務人事部 兼 技術管理室 吉田大伸さん

節目となる創業50周年記念式典
なぜ交流の“場”としてメタバースを選んだのか

50周年イベントは総勢230名が参加し、大々的に行われたとお聞きしています。実行委員の皆様は部署がそれぞれ異なるとのことですが、組成がどのように行われたのか教えてください。

⼤島さん: 実行委員のリーダーを私が拝命しまして、周年行事全体を統括しました。全体の体制としては、「イベント」「映像」「ロゴ・キャラクター」「ノベルティ」と4つの部門があり、それぞれ社内の適任者に声をかけていった形です。
ここにいるのは、主にメタバースでのイベント企画・運営を担当したメンバーです。

周年行事については会社から「各拠点にいる全社員を巻き込むようなことを考えて欲しい」というオーダーがありました。コロナ禍ということもあり、拠点間のコミュニケーションが取りづらい状況が続いていましたが、社員一人ひとりが繋がりを感じられるようなイベントを目指し、企画していくことになりました。

物流施設営業部 部長の大島範之さん。今回の50周年イベント全体のリーダーを務めた。イベント当日のビンゴ大会では、土橋さんとともに司会進行を担当。

50周年社内式典実行委員会の組織図。

イベント企画の初期段階から、メタバースでの開催を想定されていたのですか?

⼤島さん: 実は、企画当初はメタバースで開催するということは全く想定していませんでした。バーチャルスタジオの映像をWEB上で配信する方向で話が進んでいたのですが、その方法ですと一方通行の情報発信になってしまい、イベントの主目的である“コミュニケーションの場”としての機能を果たせないのではないかという懸念がありました。
そこで、ITに強い吉田と林にチームに合流してもらい、意見をもらうことに。「メタバースを使えば双方向での対話が可能になるのではないか」という提案をもらいました。それは面白そうだということで、早速二人にリサーチをお願いし、メタバースでの開催に向けて動いていくことになりました。


吉田さん: イベントに集中してもらうにはどうしたらいいかを考えた際に、何かを操作してもらうとか、自分で動いてもらうことが有効だというところから、メタバースでの開催を思いつきました。

総務人事部の吉田大伸さん。技術管理室を兼務し、システム効率化などを担当。今回のプロジェクトでは、イベント企画・運営、映像とLPの制作以外にも、当日の本社内でITのサポートも行った。

提案されたお二人は、過去にメタバースを体験したことはありましたか?

林さん: 「メタバース」としては僕も吉田もありませんでした。ただ、僕たちはオンラインゲームに親しんできた世代ですので、「3D空間でキャラクターやアバターが自由自在に動く」といった、ざっくりとしたイメージを持っていました。

土橋さん: 我々世代ですと、最初のうちはどうしてもイメージが湧きにくくハードルが高いと感じることがありました。吉田と林に説明してもらいながら、徐々にイメージを掴み、実態を把握していきました。

営業開発部 兼 経営企画室の土橋貴彦さん。国内や海外のオフィスビルのコンサルティングを担当。2021年まで6年間インドネシア駐在。今回のプロジェクトではイベント企画・運営、動画制作に加えて、大島さんとともにビンゴ大会の司会進行も担当。

現在、数多くのメタバースプラットフォームがありますが、どのような観点で選定しましたか? また、V-expoを選ぶ決め手となったものは何だったのでしょうか。

⼤島さん: 過去にメタバース関連企業との取引はなかったため、吉田と林がリサーチをしながら候補となる企業にコンタクトを取っていきました。懸念点として、仮想空間を新しく構築するとなると相当なコストがかかるのではないかということがありました。
V-expoの場合はそもそも構築の必要がなく、ブラウザで接続可能ということで有力候補としてあがってきました。

吉田さん:構築の必要がないことに加え、デモがすぐに行えたこと、操作が難しくなかったことも選定のポイントとして大きかったと思います。HPからボタンを押していきなりデモが始まるというのは、他社では見なかったのではないかと思います。IT担当のメンバー4名で実際にV-expoのデモ画面に入り、動いたり話してみたりして、これは品質的にもいけそうだということで、社内提案することになりました。

林さん: 予算的にも足が出ることはなかったため、割とすぐに決まりました。実際に使ってみると音声などの品質もWeb会議サービスとの違いを感じることができました。双方向で話せる点もよかったと思います。社員同士のコミュニケーションを図る歓談の時間も、イベントのひとつの目玉でしたので。

総務人事部 林 健太さん。社内のITシステムの保守やシステム導入などを担当。今回のプロジェクトでは、イベントの運営・企画以外にも映像制作のチームにも参加。

双方向のコミュニケーションを促す
全員参加型のメタバースイベントが開催

イベントの内容と当日の流れを教えてください

林さん: プロの司会の方が進行し、XRスタジオ(※XR……クロスリアリティ。現実世界と仮想世界を融合することで、現実にはない新たな体験を作り出す技術の総称)で収録しつつ、社員はメタバース空間内でライブ映像を見るというのがベースです。
イベントでは、50周年ロゴのコンテストやビンゴ大会が行われたり、歓談の時間を設けたりと、社員参加型の企画も多く盛り込まれました。

当日のイベントの流れ。

林さん: 社長はいつもスーツなのですが、イベントの際はTシャツで登壇されました。

⼤島さん: 普段とは違う社長の姿を見ることができて、社員はすごく新鮮に感じたようです。

吉田さん: 社長の特別アバターも好評でしたね。社員の中にもかなりこだわって自分のアバターをカスタマイズしている人がいました。

V-expoのビンゴ機能は本イベントのために開発されたものと伺いました。

⼤島さん: 打ち合わせを進めていくなかで、我々としては、全社員を巻き込んだゲームをしたいという話をしていました。m-Labさんにご相談したところ、短期間でビンゴの機能を開発していただきました。

吉田さん: 細かいところですが、ビンゴ大会で映像が流れたときにアバターが画面を見上げている構図は、かわいかったですね。当日は、出社してオフィスから参加している社員がほとんどだったのですが、ビンゴのたび歓声があがるなど、リアルでもかなり盛り上がっていました(笑)。仮想空間と現実を行ったり来たりするような不思議な感覚でした。

ビンゴ大会の様子。大島さんと土橋さんのアバターがステージ上に立ち、声のみスタジオから配信することで進行を担当。ビンゴ機能は過去に要望も多かったことから、今回の周年イベントのために1ヶ月ほどで開発された。

社員の皆様からの反応はいかがでしたか?

⼤島さん: 事前の反応は「メタバースに入ったことがなく不安」「本当に盛り上がるのかわからない」といったネガティブなものもありましたが、イベント後に実施した社内アンケートでは、9割近くは肯定的なコメントでしたね。

林さん: 5段階評価で162名からアンケート回答がありまして、平均が4.26でした。社員からの評価はとても高かったと思います。なかには、「はじめてメタバース体験させていただきました。先進性を感じることができて大変有意義でした。会社としても誇らしいことだと思います」といったうれしいコメントもありました。

吉田さん: いきなりこのような先進的なイベントがあったことで、ギャップに驚いたのかもしれませんね。
メタバースという言葉自体は最近よく聞きますが、具体的にどういったものなのかは知らなかったというか、ほぼ全員が初めて体験したのではないかと思います。イベントを通して最新のトレンドを体験できたことは、本当によかったと思います。

⼤島さん: みんな自由にメタバース内での動きを楽しんでいた感じは見て取れました。

たくさんのポジティブな反応があった一方で、悪かった点や改善点はありましたか?

吉田さん: イベント中、接続できず何も見られなかったという人もいました。
これは社内で一気に接続したことによるインフラの問題で、今後の課題だと感じています。
細かな改善点はありますが、メタバースイベントを開催できたことは総合的に見てプラスだったと思います。お客様や住商グループ事業会社との、話のきっかけにもなっています。周年イベントをメタバースで開催したと話すと、詳細を教えてほしいと言われることもあります。周囲からの注目度の高さを鑑みても、斬新な取り組みだったのではないかなと思います。

⼤島さん: ITに強い方たちは、メタバースに興味を持っていることが多いですが、会社としてそこに踏み切れるケースはなかなかないようです。

全社員がメタバースを体験することで拡がる可能性

 

林さん: そういえば、社長からのGOサインが出たときのことを僕と吉田さんは詳しく聞いていませんでしたが、どのような感じだったんですか?

土橋さん: すごく喜んでいましたね。提案当初から前向きに考えてくださっていました。

大島さん: 私たちも当初は半信半疑で、やってみたいけれどそこまで振り切れるかなという心配もありました。ミーティングを開いて、社長にV-expoのデモ画面を見てもらったところ、「何年後かにはこういったことが当たり前の時代が来るんだ」と。 「メタバースに出勤して、お互い隣にいたら声を掛け合うようになるのではないか」ということまで考えてくださっていて、「是非やってみよう」と仰ってくださいました。それで、チーム内でこれはいけるぞと。土橋が操作しながら社長に説明してくれました。

土橋さん: できないながらも何とか、ですが(笑)。実際に画面を見たり操作してみると印象が変わったりするので、簡単に試せる体験版があるのはすごくありがたかったですね。経営陣にも説明がしやすかったです。

大島さん: 僕らも操作は苦手ではありますが、さらに上の世代の方たちもいるので心配していました。ところが、「すぐにそういう時代が来るんだから、今から慣れてもらえばいいのではないか」という社長からの提言もあり、すごく話が通りやすかったですね。最後までリアルがいいという方はいらっしゃいましたが、特段大きな反対意見はありませんでした。

御社の事業であるプロパティマネジメントは、ある意味ではメタバースが競合になり得るのではないかと思います。そのあたりの懸念についてはいかがでしょうか?

大島さん: メタバースが競合になるという意識はあまりないかもしれないですね。
むしろ、どちらかというとすごく前向きで、共存していくものと考えています。テレワークや各拠点間の会議など、メタバースをうまく活用できれば、より円滑なコミュニケーションが可能になるのではないかと思います。
これは私個人の見解になってしまいますが、現在のオフィスの管理業務に加えて、メタバース空間の管理も行い、賃貸するようになることもあるかもしれない。そうすれば、m-Labさんとの協業も可能になっていくのではないかと思います。

メタバースイベント開催前と開催後で見られた変化などはありますか?

土橋さん: 目に見える変化というわけではないですが、今後、仮想空間で何かプロジェクトを行っていくとなったときのイメージが全社で共有できたと思いますね。全社員がメタバースを経験できたことは、大きな意義があったと思います。

林さん: 今回の周年イベントでは、「これからのSBM(※住商ビルマネージメント株式会社の略称)を考える」こともテーマのひとつでした。今後、どういったオフィスでありたいかということを社員にアンケートをとったところ、「バーチャルオフィス」が1位になり、導入に向けて動いていくことになりました。今回、全社員がメタバースを体験していることで、導入のハードルが下がったと思います。

最後に、今後メタバースを活⽤してやってみたい取り組みなどがあれば教えてください。

吉田さん: 弊社事業の不動産管理を行なう上で、仮想空間の中に管理しているビルを建てて内覧したりすることも可能になるかもしれません。
例えば、関西の方が関東の物件賃貸を検討して内覧するような場合、通常は現地に赴く必要がありますが、メタバース内に物件があれば、現地に赴く前に気軽にイメージを確認することが可能になります。
メタバースを活用した取り組みは、これをきっかけにいろいろなことが考えられるのではないかと思います。

<クレジット>
撮影:西村綾乃(m-Lab)
インタビュー・原稿:堀江由利子

 

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